仮想通貨FXは大きな利益を得られることができる反面、損失も大きくなってしまうことがある投資手法です。
もちろん投資には損失はつきものですが、
なるべく損は小さく、利益を大きくとり、将来に繋げたいもの。
そこでユーザーの損失を最小限に抑える要望を形にしたのが
bybitの相互保険システムです。
では具体的に説明していきましょう👏
bybitの相互保険とは
仮想通貨FXで「買い」ポジションを持っていた場合、つまり価格が上昇すると予想していたにもかかわらず、逆行してしまって価格が下落すると損失を負ってしまいます。
また価格が下落すると予想し、「売り」ポジションを持っていたにも関わらず、価格が上昇した場合も損失を負ってしまうことになります。
このような 損失を負わないようにするために考え出されたのがbybitの相互保険です。
つまり事前に、ポジションと逆行した場合の損失をカバーできるよう、保険を掛けておくというものです。
ただしこの相互保険は2020年8月28日現在、 「BTCUSD無期限契約」のみに設定でき、PC版プラットフォームからしか利用することができないので、注意しましょう。
bybit相互保険の契約に関して
bybitの相互保険は、「BTCUSD無期限契約」のポジションのオプションとなるため、ロングもしくはショートでも、ポジションを建てた人が掛けることができるものです。
保有しているポジションの契約数量を上限として、保険を掛ける数量と期間はトレーダー自身が指定できます。
保有ポジションの全てではなく、 一部のみに相互保険を掛けることもできるわけです。
相互保険の決済は「相互保険基金」から
bybitのこの保険が相互保険と呼ばれるのには意味があります。
それは、この保険を掛けるためにトレーダーが支払う保険料が全て相互保険基金として計上され、保険の補償支払いもこの相互保険基金から行われるからです。
すなわちbybitを利用し、 この保険を活用する全てのトレーダー同士で損失のリスクをカバーし合うことになるため、「相互保険」と名付けられているわけです。
なおこの相互保険基金のベースとなる資金には、bybitが200BTCを投入しているとのことですから、bybitの顧客重視の姿勢が読み取れます。
相互保険を掛ける際の制約について
トレーダーは、自分が建てているポジションの全契約数量のうち25%、50%、75%、100%の数量に相互保険を掛けることができます。
この内訳は4種類の中から選択するしかなく、これ以外の比率を任意に設定することはできません。
ただし一度に全契約数分に対して相互保険を掛けなくても、一部分、例えば50%の契約数量に相互保険を掛け、その後に残りの50%の契約数量に相互保険を掛けるなどもできます。
なお、相互保険を掛ける数量のことをbybitでは「付保数量」と呼んでおり、操作画面でもこの言葉が表示されますので、覚えておきましょう。
これ以外にもbybitの相互保険には幾つかの制約があります。
保険を掛けていられる有効期間
相互保険には有効期間が設けられており、 2 時間、12 時間、48 時間の3通りしかありません。
これは相互保険契約を締結したタイミングからの有効期間ですので、注意しておきましょう。
相互保険契約の最小単位
相互保険には最小相互保険契約数が決まっており、 500以上でしか契約できません。
つまり元々のポジション契約数量が少ない時、もしくは25%などの少ない数量に相互保険を掛けようとした場合など、契約数量が500以下になってしまうのであれば、相互保険はかけられないことになります。
契約数が500以上になるよう、比率を設定しましょう。
付保契約数の最大単位
相互保険の契約には最小単位だけでなく、最大単位も決められています。
最大付保契約数は、1契約あたり200,000USDで、1つのアカウントあたり1,000,000USDとなっています。
つまり大きすぎる契約はできないということになります。
相互保険契約価格と決済価格について
相互保険を掛ける際、そして決済する時の価格は、 全てインデックス価格で設定されるようになっています。
相互保険を掛ける際の価格のことをbybitでは「付保価格」と呼んでいますが、すなわち「付保価格」は相互保険を購入した時のBTCUSDのインデックス価格であるということです。
そして相互保険を決済する時の価格は「保険決済価格」と呼ばれており、これも決済時のBTCUSDインデックス価格で表示されることになります。
付保価格にインデックス価格を採用するゆえの乖離
インデックス価格は常に変化しています。
そのため 相互保険の申し込み時に表示されている付保価格が、購入手続きの間に変化するケースもあります。
相互保険を掛けるためには後述する保険料を支払わなくてはなりませんが、インデックス価格すなわち付保価格が購入手続きの間にあまり大きく変化してしまうと、想定していた以上の保険料になってしまう可能性があります。
bybitではこのような状態にならないよう、表示されている付保価格と、手続き時の付保価格に 2%以上の乖離があった場合には、相互保険の申し込みを拒否する表示がでるよう設定されています。
つまり付保価格は、最大でも2%まで誤差で抑えられるため、トレーダーの想定より大きく外れた保険料にはならないということです。
画像引用:bybit
相互保険の保険料について
bybitの相互保険に加入するための保険料は、ブラック・ショールズ・モデルと呼ばれる金融取引で広く用いられているオプション価格計算式がベースとなっています。
また以下の係数によって調整され、算出されています。
- 1.相互保険基金係数
相互保険の付保契約総数/相互保険基金残高=相互保険基金係数
上記計算式で算出される相互保険基金係数によって調整されます。 - 2.最大補償額係数
有効とされる全ての相互保険の、加入時の最大補償額の合計によって調整されます。 - 3.短期保険勘定係数
「買い」もしくは「売り」保険の購入数量の1分と15分の移動平均比率によって調整されます。
相互保険の保険料が高くなるケースとは
ブラック・ショールズ・モデルそのものが非常に難解であり、上記の係数も分かりにくいため、一般論として相互保険の保険料が高くなるケースとはどのような場合なのかを説明しましょう。
- 付保契約数量が大きい場合
- インデックス価格のボラティリティが大きい場合
- ポジションが「買い」で付保価格が高い場合
- ポジションが「売り」で付保価格が低い場合
- 最大補償受取額が大きい場合
- 相互保険の期間が長い場合
なお、相互保険の保険料は以下の画像赤枠内に表示されますので、契約時にはしっかり確認するようにしましょう。
画像引用:bybit
保険に加えて必要な手数料
相互保険に加入するには 保険料に加えて、保険手数料を支払わなければなりません。
つまり保険料 + 保険手数料が必要になるということです。
保険手数料は、相互保険の付保数 ×0.05%で計算されます。
相互保険が決済される価格について
相互保険が決済される価格は、一律に幾らなどと決まっているわけではありません。
決済される価格も、保険料と同様にブラック・ショールズ・モデルで算出されています。
そのため、特定の額や比率などで説明することはできませんが、契約時に表示されるようになっていますので、保険料とあわせて確認してから契約するようにしましょう。
画像引用:bybit
相互保険契約の自動更新について
契約した相互保険については、保険期間や付保数、売買方向が全て同じ契約内容の場合に限り、 オプションで自動更新される機能も用意されています。
ただし最初に相互保険を契約した時と付保価格やインデックス価格のボラティリティ、強制決済価格など、ブラック・ショールズ・モデルの計算式に影響する要素があるため、自動更新の際の保険料が最初に契約した際の保険料と同じではないケースもあります。
また自動更新の際には、 口座残高に保険料分の残高がなければ更新されませんので注意が必要です。
なおこの相互保険の自動更新は、トレーダー自身の手で更新を有効や無効にすることができます。
契約した相互保険の決済について
契約した相互保険が決済されるタイミングには、どのようなものがあるのでしょうか。
保険期間の満了時
2H、12H、24Hのうち、事前に設定していた保険有効期間が満了になった際には、自動で決済されます。
トレーダーの決済操作
トレーダー自身が保険の有効期間内に、手動で決済操作をおこなった場合に決済されます。
付保ポジションの強制決済
相互保険が付保されているポジションが強制決済された場合には、自動的に決済されます。
上記のケースでは、契約していた相互保険が決済されます。
その際、相互保険の補償金が発生する場合には、 すぐにトレーダーの口座に補償金が入金されます。
決済時に受け取れる補償額について
契約した相互保険が決済されたとき、受け取ることができる補償額はどのように計算されるのか、パターン別にご説明しましょう。
パターン①: 保険決済価格の方が付保価格よりも高い価格で決済されたとき
このケースでは、「買い」のポジションでは損失が出ていないため、そのポジションに付保した相互保険が決済されても、受け取れる補償金はありません。
一方、「売り」のポジションでは損失が出ているため、そのポジションに付保した相互保険から補償金を受け取ることができます。
その場合の補償金は、以下のように算出されます。
- 付保契約数 ×(1 /付保価格 ― 1 /保険決済価格)=補償金受取額
パターン②: 保険決済価格の方が付保価格よりも低い価格で決済されたとき
このケースでは、「売り」ポジションでは損失が出ていないため、そのポジションに付保した相互保険が決済されても、受け取れる補償金はありません。
一方、「買い」のポジションでは損失が出ているため、そのポジションに付保した相互保険から補償金を受け取ることができます。
その場合の補償金は、以下のように算出されます。
- 付保契約数 ×(1 /保険決済価格 ― 1 /付保価格)=補償金受取額
パターン③: 保険決済価格と付保価格が同じ価格で決済されたとき
このケースでは「買い」ポジションでも、また「売り」ポジションであっても受け取れる補償金はありません。
「売り」と「買い」での最も大きな補償金額について
「売り」もしくは「買い」の場合での最大補償金額は、相互保険を付保しているポジションの推定強制決済価格に基づいて計算されるため、相互保険を契約した際に決定されています。
なお「売り」と「買い」の場合の最大補償金額は、以下の計算式で算出されています。
- 「売り」の場合の最大補償額
付保契約数×(1 /付保価格―1 /保険購入時のポジションの推定強制決済価格) - 「買い」の場合の最大補償額
付保契約数×(1 /保険購入時のポジションの推定強制決済価格-1 /付保価格)
相互保険基金が枯渇した場合の対応方法
bybitでは、 万が一相互保険基金が枯渇してしまった場合の対応方法についてもあらかじめ規定を設けています。
相互保険基金が枯渇した場合には、相互保険を契約している保健期間よりも早い段階で強制的に決済されるようになっており、強制決済は以下の計算方法に基づいて早期強制決済ランキングを決め、上位のトレーダーから順番に決済していくようになっています。
- 付保数量×推定補償受取額/保険料=早期強制決済ランキング
この計算方法では、相互保険の補償金額が高いと推定される人を上位にランキングしていくことになります。
なおこの計算式中の「推定補償受取額」とは、ランキングする時点のインデックス価格をベースにして算出されたものです。
段階的対応方法
bybitでは相互保険基金が枯渇しそうになってきた時点から、段階的な対応方法が設けられています。
枯渇してきているかどうかの判断は、TPRと呼ばれる総補償額比で判断されており、その計算式は以下のようになっています。
- 推定補償総額/(相互保険基金残高+推定補償総額)=TPR(総補償額比)
TPRが70%を超えた時点の対応:①
相互保険を掛けている全てのトレーダーに対し、相互保険のリスクアラートが送信されます。
TPRが70%を超えた時点の対応:②
早期強制決済ランキングの上位に位置するトレーダーから順番に、TPRが80%時のインデックス価格に従って、強制決済がおこなわれます。
ただしこの時点での強制決済は、相互保険の付保総数が50%になるまでとなっています。
つまり早期強制決済ランキングの下位に位置するトレーダーは、強制決済されない可能性があるということになります。
TPRが90%を超えた時点の対応:③
全ての相互保険が早期強制決済され、相互保険そのものが24時間は契約できなくなります。
また相互保険サービスを再開するための資金として、bybitから相互保険基金に入金がおこなわれます。
これにより、トレーダーは相互保険サービスが再度受けられるようになります。
まとめ
いかがでしたか?
仮想通貨は他の金融商品と比べてボラティリティが高いため、大きな資金でトレードする場合は、このように少しでも保険などを活用して損失を小さく抑えることが大事になってきます。
プロのトレーダーの方に是非とも活用してほしいbybitのシステムを紹介しました。
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投稿者プロフィール
- 2017年初旬に資金の流れを感じて暗号通貨界隈へ入りBTCFXでの裁量トレードやBOTトレードを好む、数分の短いスキャルピングから生涯投資を見据えた長い時間の投資も行います。不動産投資の他、商品先物や個別株も触り、チャートとチャンスがあれば触ります。着飾った見た目の記事では無く、実際のトレードの日記や資産運用、即実践向けの記事を書いています。
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